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本研究は、西洋における「新しい女性」現象に触発され、20世紀初頭のアジア諸地域で、「近代的で自立した存在」としての「新しい女性」像が出現し変容を遂げた状況を、日本、中国、韓国、インドネシア、エジプトを比較しつつ歴史的文脈と共に明らかにするものである。帝国主義と民族主義がせめぎあう中、それぞれの地域で、誰が、なぜ、どのように「新しい女性」像を描いていったか。それらは、アジア内の他地域や西洋にどのような影響を与えたか。本研究では、人びとの情動(エモーション)に注目しつつ、検討する。最終的には、思想や価値観の形成過程を情動の面から捉えなおすとともに、アジアにおける近代化のジェンダー的な側面を考察する。